ブラウザで見る
rogo2
asobi基地ユニバーシティ通信 Vol.2

築150年・ふくいの伝統的民家で、小中学生たちが、その土地の「人」を知り「生活」を知り、何ができるか自分たちで考えて行動する

ヘッダー

近況報告。北陸版asobi基地アドベンチャー実現へ向けて

みなさん、こんにちは。asobi基地ユニバーシティの発起人・寄金 佳一(よりかね けいいち)です。

12/4〜7で北陸へ行ってきました。第一の目的は、うちの子たちのため(娘は100名城巡り、息子は全国マイベスト13水族館めぐり。あと、2回目の福井県立恐竜博物館)でしたが、もう一つ大きな目的がありました。

7年前に、福井県鯖江市に呼ばれ、講演に行った経験があります。このときに宿泊させてもらったのが、「ふくいの伝統的民家」に認定されている、築150年の農家民宿「椀de縁」と、オーナーの荒木さん。

それ以来、家族でしばしばお世話になっているのですが、今回あらためて、asobi基地ユニバーシティで企画ができないか模索したい、荒木さんに相談したい、と思っていたのです。
onedayen-day2-20201207-01
onedayen-day2-20201207-03

大半の田舎体験はほとんど意味がない

世の中、古民家への宿泊体験や、農体験、田舎暮らし体験は、山ほどあります。参加した経験のある方も多いと思います。

ですが、はっきり言って、お年頃になってきた小中学生に何かを得てほしいという観点からすると、その大半はあまり意味がないと思っています。

ただお客さんとして古民家に泊まる。畑で収穫をさせてもらう。田植えや稲刈りの体験をする。

これが、人生のターニングポイントになるような学びになるか? 価値観が変わるような社会勉強になるか?と言われたら、多くはそうではないはず。

(もちろん、アトラクション的に楽しむ分にはいいし、観光の一つとして考えるのはアリだと思います)。
原因ははっきりしています。

子どもに、大人の都合で、一方的に与えようとしてしまうからです。これは、自然や田舎生活を体験させたいという親の都合はもちろん、受け入れる側の大人の都合も含みます(もっと言えば、学校での課外学習もそうですね)。

元も子もなくぶっちゃけてしまえば、子どもにしたら、田舎だとか農家だとか、そんなもんに興味はないわけです。でも、多くが、ここの前提を見ないふりしている(あるいは、考えが及んでいないケースもあるかもしれません)。

押し付けるように体験させたところで、子どもはほとんど吸収しませんし、深まりません。せいぜい「意外と面白かった」程度の感想で終わってしまうんです。

もちろん、「意外と面白かった」でも、つまらないよりはマシですし、体験しないよりは意味があるという考え方もあります。でも、それだったらasobi基地ユニバーシティでやる価値はありません。

コンセプト:滞在させてもらうかわりに、自分たちに何ができるのか、自分たちで考えて行動する

私は、全国のアウトドアフィールドを飛び回り、プライベートで遊びに行ったり、イベントを企画・実施したりするなかで、様々な人・地域・事業者のみなさんと懇意にさせてもらっています。

なぜ、その中でも、福井県鯖江市の荒木さんに相談したいと思ったか。いや、むしろ荒木さんでなければダメだ、という直感がありました。理由は、荒木さんの下記のようなスタンスにあります。

我が家では(パッケージ化された観光のようなものではなく)日常生活のリアルに触れてもらう位です。来た人が自分で何しようか考え、実行してもらう。その為のヒントや、お手伝い等、他の事業所への案内なら出来ます

onedayen-day2-20201207-07
(右端:オーナーの荒木さん。今回の滞在では、朝食に餅つきもさせてもらった)
ふつう、受け入れる側としては、「お客様をおもてなししよう」という発想になりがちです。

そうすると、不便があってはいけない、怪我してもらっては困る、満足してもらわなければ……という方向に引っ張られ、小中学生にとってはどんどんつまらないものになっていくんです。

でも、荒木さんは、“うちでは、自分で何をしようか考えて、実行してくださいね。お手伝いしますから” と言います。

もちろん、事前にお願いをすれば食事を用意してくれたり、体験したいとお願いすれば、あんなのもあるよ、こんなこともできるよ、とニコニコでいろいろ教えてくれるのですが、サービスは本質ではありません。

たとえば今回、薪割りをさせてください、とお願いをしました。「怪我してもらっては困る」の発想だと、年齢は何才以上、子どもは大人と一緒に……となりますが、こうした制限は一切ありませんでした。

しっかり、危険を避けるためのコツを教えてくださり、あとは自由にやらせてくれるんです。
onedayen-day2-20201207-23
IMG_0311
正直、私も、「子どもたちは短時間で飽きるかもしれない」と思っていました。

ですが、ここでは一人前として扱ってくれますし、やるもやらないも自由。主導権は自分にあるとわかったからでしょう、結局は交代しながら(薪割りをしないときは、たき火をしたり、犬と遊んだり、籾殻にまみれたり……)約2時間も薪を割り続けました。

薪ストーブひと冬分……は無理でも、ギリギリ1週間分くらいは、貢献ができたでしょうか。
onedayen-day2-20201207-16
onedayen-day2-20201207-14
“自由(主導権)と余白があるからこそ、お年頃になってきた子どもたちにとって魅力的な時間になる”

これこそがasobi基地ユニバーシティが大切にする価値観ですが、やはり今回の訪問で、荒木さんのところでならば、最大限に活かした企画が実現できるのでは?という思いが、確信に変わりました。

加えて、その地域を知り、住んでいる「人」や「生活」を知る、ということ。格安で滞在させてもらうのだから、そのかわりに何を返すのか、自分たちにできることは何か。

これも、大人が「あれをしましょう」「これをしましょう」と用意するのは簡単です。でも、嫌々ながらやることなんて、ただの作業で終わってしまい、何の意味もありません。

そうではなく、自分たちで考えて行動しようとするからこそ、ここはどういう地域なんだろう、どんな人たちがどんな生活をしているんだろう、という好奇心につながっていきます。

小中学生になにができるのか、未知数だけれど……

高校生や大学生ならいざしらず、小中学生に何ができるのかな……というのは、率直な話、私にも見えていません。

ところが今回、黙々と小豆をむいたり、2時間みっちり薪割りをしたりという姿を目にして、大人が子どもの限界を勝手に決めたり、あれこれ考えすぎても仕方ないな、と思い直しました。

■動画も編集したのでよろしければ!
【斧を正確に振り下ろせ!】薪割りって小学生じゃ危ない……?しっかりできる……?証拠動画はこちら!!

畑仕事が好きな子がいたり、火の扱いに慣れている子がいたり、あるいは農作業ができなくてもみんなの食事を用意したり、たくさんアイデアを出すのが得意な子もいるかもしれない。

大切なのは、何度も言うけれど、自由(主導権)と余白です。これさえしっかり用意してあげれば、自分で興味を向け、ときには居合わせた子ども同士で化学反応がおき、思いも寄らない成果につながるのだと思います。

そして、このように「やらされた」ではなく「自分で選択してやった」ことは、圧倒的に現実感のある出来事として、子どもたちの心に深く残るはずです。

一朝一夕で人生が変わる……とはもちろんなりませんが、無数の実感と、気づきを得て、その子次第では好奇心の種も植わるのかもしれません。

まずは、トライアルから。春か秋か……他のアドベンチャー企画との兼ね合いもあるので、詳細を詰めて、ご報告できるようにしたいと思います。
スクリーンショット 2020-12-08 21.39.21

おまけ1:茶道は究極の自給自足である!?

asobi基地アドベンチャーは、芯の哲学はそのままに、その土地ならではの楽しみを取り込んでなんぼだと思っています。

北陸版の場合、荒木さんが茶道をやられるんです。

私たち椀de縁グループは、店主の趣味の一つでもある茶道の精神を大切にしております。

小中学生に茶道と言ったて、ほとんどの子は興味ない……という感じでしょうが、今回お話していて、これだ!!と思ったことがありまして。

荒木さんいわく、「茶道は究極の自給自足」とのこと。

たとえば、お湯を沸かすための炭。その土地の山の木から、自分で焼いて用意する。

お茶を入れるお椀。椀de縁がある河和田町は、漆器が地場産業。陶器でもいいですが、ここでは自分で手作りができる。

湧き水もありますし、飾る花もつんでこられるでしょう。一緒にいただく食べ物も、(買ってくるのではなく)自分で用意する。

一杯のお茶をいただくために、時間と手間暇をかけて、最後の一瞬に結実する……その心までは私にはわかりませんが、これら一連の経験がとても実のあるものだろうという直感はあります。

これを取り入れたらどうだろうな、と思っています。

子どもたちも、「茶道やるよ」ではなく、「一杯のお茶を飲むために、ぜんぶ自分で用意するよ。サバイバルだ!」という言い方をしたら、やろうとすることの内容が直感できて、興味深く感じるんじゃないでしょうか。
onedayen-day2-20201207-39

おまけ2:もう一つの古民家を、自分たちの手で……

「椀de縁」のほかにもう一棟、いま荒木さんたちがどうにかしようとしている古民家があります。

以前住んでいた方の、様々な生活の道具が大量に残されていて、まずはこれをどうにかして、内外の掃除を進め、修繕するところは修繕し……ということで、地域の仲間や、学生たちの力を借りて、あれこれやっていらっしゃいます。

こちらのブログに詳しいです。

野外活動!古民家の大掃除。土埃まみれになりつつも自然に癒されました。

今回、せっかくの訪問なので、現地を見させてもらったのですが、これがすごくいいです。撮影もしてきました。
onedayen-day2-20201207-43
onedayen-day2-20201207-44
onedayen-day2-20201207-33
onedayen-day2-20201207-40
onedayen-day2-20201207-32
onedayen-day2-20201207-45
なにがいいって、2階の天井の、むき出しになっている梁です。木一本がまるごと使われています。一目見て、「おおお、いいな〜」という感じ。

ちょっとした高台にあるので、窓からの眺めもよく、採光の具合の素晴らしさも、写真ですら伝わるのではないかと思います。
onedayen-day2-20201207-54
外観はさすがにガタがきていますね。屋根も一部雨漏りがあり、自分たちで直してみようと相談しているとのこと。

内部・1階も、2階にあった物をおろしているため、とても雑多な状況です。
onedayen-day2-20201207-52
庭もひろく、畑にしたいと考えているそう。

子どもたち、木の上にある柿を、一所懸命に頭を使って、取ろうと奮闘しています(もちろん荒木さんの許可はとっていますw)。

クソ危なっかしいんですけど、それでも笑って見ている荒木さん。我々もいちおう「骨折して飛行機に乗るのは大変だと思うよ」とはアドバイスしました……😅

その他、裏手は竹林になっており、春にはもちろん筍がとれます。

ここも、小中学生ならではの発想で、なにかできないかな……と考えています。
facebook website custom 
MailPoet